問題提起
法律相談センターに相談したいと思っても、「何を伝えればよいのか」「すぐに相談できるのか」と迷うことがある。予約の仕方と、予約までに準備しておくことを知っておくと、限られた相談時間を有効に使える。
弁護士に相談する前に知っておきたい法律の要点を、分野ごとにスレッド形式でまとめています。
法律相談センターに相談したいと思っても、「何を伝えればよいのか」「すぐに相談できるのか」と迷うことがある。予約の仕方と、予約までに準備しておくことを知っておくと、限られた相談時間を有効に使える。
相談の予約の方法を定めた法律の条文はない。各弁護士会が案内している方法に従う。予約の際に相手方の名前を聞かれる理由は、弁護士法が、弁護士が職務を行ってはならない事件を次のように定めているためである。
弁護士は、次に掲げる事件については、その職務を行つてはならない。(略)
一 相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件
二 相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるもの弁護士法25条1号・2号(e-Gov法令検索で原文確認)
方法|主な特徴
電話|受付の担当者と話しながら日時を決める。受付の曜日・時間が決まっている。
ウェブ|受付時間外でも申し込める。空いている日時を選ぶ方式や、申込みの後に弁護士会から連絡がある方式がある。
窓口|センターの窓口で直接申し込める弁護士会もある。
どの方法を設けているか、当日の相談を受け付けるかは弁護士会ごとに違う。日本弁護士連合会は、全国共通の電話番号から近くの弁護士会の法律相談センターにつながる「ひまわりお悩み110番」と、ウェブで相談の予約を申し込める「ひまわり相談ネット」を案内している(電話番号や対象の地域は日本弁護士連合会のウェブサイトで確かめる)。
1. 相談する人の氏名・住所・電話番号
2. 相談の分野(相続・離婚・借金・交通事故など)と、相談したい内容の概略
3. 相手方の氏名・名称(会社名など)
4. 希望する相談の方法(面談・電話・オンライン)と日時
5. 無料相談の対象かどうかを判断するための事項(相談の分野、収入などの事情を聞かれることがある)
実務の視点 予約の時点で、相手方の名前を正確に伝える(会社なら正式な商号)。担当の弁護士が当日になって相手方との関係に気づくと、相談を担当できず、日を改めることになりかねない。
1. 相談する人が、出来事を日付順に並べたメモを作る(いつ・誰が・何をしたか、今どうなっているか)。
2. 相談する人が、関係する資料を集める(契約書、手紙・メール、請求書、裁判所や役所から届いた書類、写真など)。原本を持参する場合は、なくさないよう注意し、写しも用意しておくとよい。
3. 相談する人が、弁護士に聞きたいことを優先順位をつけて書き出す。
4. 相談する人が、相談料の額と支払方法を案内で確かめておく。
5. 当日来られなくなった場合は、相談する人が、できるだけ早く弁護士会に連絡して取消し・変更をする。
① 予約が取れるまでに日数がかかることがある。 分野や時期によっては、希望の日に予約が取れないことがある。期限がある問題は、別の窓口(法テラス、自治体の相談、個別の法律事務所)も並行して探す。
② 家族が代わりに相談できるかは事情による。 本人以外の人が相談を申し込めるか、本人の同席が必要かは、弁護士会や相談の内容によって扱いが違う。依頼をするときは、原則として本人の意思の確認が必要になる。
③ 予約の電話で詳しく話す必要はない。 受付の担当者は事件の中身を判断する立場ではない。ただし、期限があること、家族が逮捕されたこと、身の危険があることなど急ぐ事情は、予約の時点で伝える。生命や身体に差し迫った危険があるときは、相談の予約を待たず、110番(けがなどで救急の対応が必要なときは119番)に連絡し、安全の確保を優先する。詳しい事情は相談当日に弁護士に話す。
・裁判所から訴状・支払督促・呼出状などが届き、答弁書や異議の期限が書かれている
・家族が亡くなり、相続放棄をするかどうかを決める必要がある(相続人が相続放棄をするには、民法915条1項により、原則として自分のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要がある。この期間は、利害関係人または検察官が請求すれば、家庭裁判所が伸長することができる)
・相手方から、期限を付けて支払や明渡しを求める書面が届いた
・解雇・雇止めを告げられた
・家族が逮捕された
具体的な事案は、法律事務所、弁護士会の法律相談センターや法テラス等にご相談ください。
問題が起きたら、早めに予約する。特に、期限が書かれた書類を受け取ったときは、受け取ったその日のうちに相談の予約を申し込み、期限が迫っていることを予約の時点で伝える。家族が逮捕された場合は、相談の予約を待たず、弁護士会の当番弁護士制度などの窓口に連絡する。
弁護士会の法律相談センターは、多くが電話やウェブの予約制で、方法や受付時間は弁護士会ごとに違う。申込みの際には相手方の名前を正確に伝え、当日までに時系列のメモと資料を用意する。期限が迫っている問題は、予約の時点でそのことを伝え、ほかの窓口も並行して探す。
出典
弁護士法25条1号・2号、民法915条1項・938条(e-Gov 法令検索で原文確認・2026-10-19)