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高齢者・障害者の相談窓口|本人や家族が使える所

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この記事の要点

  • 高齢者の生活や権利の問題は、まず地域包括支援センターに相談できる。地域包括支援センターは市町村が設置でき(介護保険法115条の46第2項)、高齢者の総合的な相談や、虐待の防止・早期発見などの権利擁護のための援助を行う(同法115条の45第2項1号・2号)。
  • 家族などから虐待を受けていると思われる高齢者や障害者を見つけた人は、市町村に通報する。高齢者の場合は生命・身体に重大な危険が生じているときは通報しなければならず、それ以外のときも通報するよう努めなければならない(高齢者虐待防止法7条)。障害者の場合は、養護者による虐待(18歳未満の障害者について行われるものを除く)を受けたと思われる障害者を見つけた人は、速やかに市町村に通報しなければならない(障害者虐待防止法7条1項)。18歳未満の子どもへの虐待は、児童虐待防止法の通告の制度による。施設の職員や使用者による虐待については、それぞれ別の通報の規定がある。養介護施設・養介護事業の従事者は、自分が働く施設・事業で従事者による高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を見つけたときは、危険の程度にかかわらず速やかに市町村に通報しなければならない(高齢者虐待防止法21条1項)。障害者福祉施設従事者等による虐待を受けたと思われる障害者を見つけた人は市町村に(障害者虐待防止法16条1項)、使用者による虐待を受けたと思われる障害者を見つけた人は市町村または都道府県に(同法22条1項)、速やかに通報しなければならない。
  • 認知機能が十分でないために自分の権利を実現できないおそれがある人(特定援助対象者)について、法テラスは、民事裁判などの手続や公的給付の不服申立ての費用の立替え、近くに頼れる親族がいないなどの事情で自分から弁護士などに相談することが期待できない人への法律相談などの援助を行う(総合法律支援法30条1項2号イ(1)・3号)。利用の条件は法テラスに確かめる。
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問題提起

親が認知症になって預金の管理が心配、障害のある家族が悪質な契約をさせられた、施設や家族による虐待が疑われる。本人が自分で相談に行くのが難しいことも多い。本人や家族が使える相談窓口と、それぞれの役割を知っておくと、早く適切な支援につながりやすい。

法律の文言(介護保険法115条の46第1項、高齢者虐待防止法7条、障害者虐待防止法7条1項)

地域包括支援センターは、第一号介護予防支援事業(居宅要支援被保険者に係るものを除く。)及び第百十五条の四十五第二項第一号から第六号までに掲げる事業(以下「包括的支援事業」という。)その他厚生労働省令で定める事業を実施し、地域住民の心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な援助を行うことにより、その保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的とする施設とする。介護保険法115条の46第1項(e-Gov法令検索で原文確認)
養護者による高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者は、当該高齢者の生命又は身体に重大な危険が生じている場合は、速やかに、これを市町村に通報しなければならない。
2 前項に定める場合のほか、養護者による高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者は、速やかに、これを市町村に通報するよう努めなければならない。高齢者虐待防止法7条1項・2項(e-Gov法令検索で原文確認)
養護者による障害者虐待(十八歳未満の障害者について行われるものを除く。以下この章において同じ。)を受けたと思われる障害者を発見した者は、速やかに、これを市町村に通報しなければならない。障害者虐待防止法7条1項(e-Gov法令検索で原文確認)

通報は、守秘義務に関する法律の規定によって妨げられない(高齢者虐待防止法7条3項、障害者虐待防止法7条2項)。

主な窓口

窓口|主な役割
地域包括支援センター|高齢者の総合的な相談、虐待の防止・早期発見などの権利擁護、成年後見制度の利用の相談の案内など
市町村の高齢者虐待・障害者虐待の担当窓口(市町村障害者虐待防止センターなど)|虐待の通報・届出の受付、安全の確認と事実の確認、一時的な保護などの措置
社会福祉協議会・成年後見制度の相談窓口|成年後見制度の利用の相談、日常的な金銭管理の支援の案内など(実施している内容は地域によって違う)
家庭裁判所|後見・保佐・補助の開始の申立ての受付、手続の案内
弁護士会の高齢者・障害者向けの相談|高齢者・障害者の財産管理、虐待、契約トラブルなどの法律相談。出張して相談する仕組みを設ける弁護士会もある
法テラス|法制度と相談窓口の案内、特定援助対象者への法律相談など

実務の視点 家族が代わりに相談するときは、本人の状況(認知症などの診断の有無、介護認定、障害者手帳)、問題になっている契約書や通帳の記録、関わっている福祉の担当者(ケアマネジャーなど)の連絡先をまとめておくとよい。法律上の手続を進めるには、本人の意思の確認や、成年後見人などの代理人が必要になることがある。

相談から支援までの流れ(虐待が疑われる場合の例)

1. 虐待が疑われる状況を知った人が、市町村の担当窓口または地域包括支援センターに相談・通報する。
2. 市町村が、通報を受けて速やかに高齢者の安全の確認と事実の確認を行い、対応を協議する(高齢者虐待防止法9条1項)。
3. 市町村または市町村長は、必要に応じて高齢者を一時的に保護するための措置をとり、または成年後見の開始などの審判を請求する(同条2項)。
4. 財産の取戻しや契約の取消しなど法律上の手続が必要な場合は、弁護士に相談する。

確認点・よくある誤解

① 家族も相談できる。 地域包括支援センターや市町村の窓口には、本人だけでなく家族や近所の人も相談できる。

② 通報した人の情報は守られる。 高齢者虐待防止法は、通報を受けた市町村の職員が、通報をした者を特定させるものを漏らしてはならないと定めている(同法8条)。

③ 成年後見制度を使うかどうかは慎重に考える。 後見人などが選ばれると、本人の財産の管理の仕方が変わる。後見開始の申立ては、審判がされる前であっても、家庭裁判所の許可を得なければ取り下げることができない(家事事件手続法121条1号)。利用する前に、制度の内容を相談窓口や弁護士に確かめる。なお、成年後見制度は改正が予定されているので、最新の制度を確かめる。

④ 弁護士への依頼には本人の意思が問題になる。 本人の判断能力が十分でない場合、家族の依頼だけで本人の代理人として手続を進められないことがある。

特に相談した方がよい場面

・家族や施設による虐待が疑われる
・本人の預金が知らないうちに引き出されている
・本人が高額な契約や不要な商品の購入をさせられた
・成年後見の申立てを考えている、後見人の選び方に迷っている
・本人が亡くなった後の財産や相続について心配がある

具体的な事案は、法律事務所、弁護士会の法律相談センターや法テラス等にご相談ください。

相談のタイミング

虐待が疑われる場合や財産が失われている場合は、気づいた時点ですぐに相談・通報する。本人の生命・身体に危険が迫っているときは、警察にも連絡する。契約トラブルの場合は、クーリング・オフなどの期限がありうるので早めに相談する。

まとめ

高齢者や障害のある人の問題は、地域包括支援センター、市町村の虐待対応の窓口、成年後見制度の相談窓口、弁護士会の相談、法テラスなどで相談できる。虐待が疑われる人を見つけた人は市町村に通報し、場合によっては通報が義務になる。財産の取戻しや契約の取消しなど法律上の手続が必要なときは、弁護士に相談する。

出典

介護保険法115条の45第2項・115条の46、高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律7条〜9条・21条、障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律7条・16条・22条・32条、家事事件手続法121条、総合法律支援法30条1項2号・3号(e-Gov 法令検索で原文確認・2026-10-19)

最終確認日
2026年10月19日
法令の基準時
2026年10月時点の法令による
出典(外部サイト)
e-Gov 法令検索(デジタル庁)〔外部サイト〕/裁判所ウェブサイト〔外部サイト〕
ご相談
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