問題提起
弁護士を名乗る人から突然連絡が来た、ウェブで見つけた「弁護士」の事務所が本物か分からない、依頼を考えている弁護士が過去に処分を受けていないか気になる。そのようなとき、弁護士の登録の仕組みを知っておくと、確かめる手がかりになる。
弁護士に相談する前に知っておきたい法律の要点を、分野ごとにスレッド形式でまとめています。
弁護士を名乗る人から突然連絡が来た、ウェブで見つけた「弁護士」の事務所が本物か分からない、依頼を考えている弁護士が過去に処分を受けていないか気になる。そのようなとき、弁護士の登録の仕組みを知っておくと、確かめる手がかりになる。
弁護士となるには、日本弁護士連合会に備えた弁護士名簿に登録されなければならない。弁護士法8条(e-Gov法令検索で原文確認)
弁護士となるには、入会しようとする弁護士会を経て、日本弁護士連合会に登録の請求をしなければならない。弁護士法9条(e-Gov法令検索で原文確認)
弁護士又は弁護士法人でない者は、弁護士又は法律事務所の標示又は記載をしてはならない。弁護士法74条1項(e-Gov法令検索で原文確認)
第七十四条の規定に違反した者は、百万円以下の罰金に処する。弁護士法77条の2(e-Gov法令検索で原文確認)
弁護士名簿の登録、登録換及び登録取消は、すみやかに、日本弁護士連合会から当該弁護士の所属弁護士会に通知し、且つ、官報をもつて公告しなければならない。弁護士法19条(e-Gov法令検索で原文確認)
項目|内容
登録|弁護士は、日本弁護士連合会の弁護士名簿に登録され、いずれかの弁護士会に所属する。登録・登録換え・登録取消しは官報で公告される(弁護士法19条)。
懲戒の種類|戒告、2年以内の業務の停止、退会命令、除名の4種類(弁護士法57条1項)。
懲戒の公告|弁護士会または日本弁護士連合会が弁護士を懲戒したときは、日本弁護士連合会が遅滞なく処分の内容を官報で公告する(弁護士法64条の6第3項)。
業務の停止の期間|業務の停止の処分を受けた弁護士は、その期間中、弁護士の業務を行うことができない。
1. 確かめたい人が、相手の弁護士の氏名と所属弁護士会を、名刺・書面・事務所のサイトで確認する。弁護士の業務広告には、氏名と所属弁護士会を表示することとされている。
2. 確かめたい人が、日本弁護士連合会のウェブサイトの弁護士の検索や、所属弁護士会の会員の検索で、氏名・所属弁護士会・事務所の所在地が一致するかを確かめる。
3. 一致しない場合や見つからない場合は、確かめたい人が、所属しているとされる弁護士会に電話などで問い合わせる。
4. 弁護士を名乗る者から連絡を受けた場合は、確かめたい人が、その連絡先に折り返すのではなく、自分で調べた弁護士会や事務所の代表の連絡先に問い合わせる。
実務の視点 弁護士の名前をかたる詐欺の連絡(「弁護士の〇〇です。未払いの料金があり、本日中に支払わなければ訴える」など)では、相手の示す電話番号やメールに連絡すると被害につながることがある。弁護士が依頼者の代理人として連絡する場合でも、自分で調べた連絡先で相手が本当に弁護士か確かめてから対応するとよい。
① 「国際弁護士」という日本の資格はない。 外国の弁護士資格を持つ人が日本でその外国の法に関する法律事務を業として扱うには、原則として、外国法事務弁護士として法律の定める承認と登録を受ける必要がある。日本の弁護士として登録されているかは別に確かめる。
② 弁護士会に所属しない弁護士はいない。 日本の弁護士は、いずれかの弁護士会に所属する。所属弁護士会を示さない者には注意する。
③ 過去の懲戒処分は、すべてがすぐ分かるとは限らない。 懲戒の処分は官報で公告されるが、検索の方法によっては見つけにくいことがある。気になる場合は、相談の場で率直に尋ねることもできる。
④ 司法書士・行政書士などは弁護士とは扱える業務が違う。 弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事件の代理などを業とすることは、法律で認められた場合を除いて禁止されている(弁護士法72条)。
・弁護士を名乗る者から、支払や個人情報の提供を求める連絡があった
・依頼した「弁護士」が登録されていないことが分かった
・依頼している弁護士が業務停止の処分を受けた
・弁護士でない業者に法律問題の解決を有料で依頼してしまった
具体的な事案は、法律事務所、弁護士会の法律相談センターや法テラス等にご相談ください。弁護士を名乗る者からの不審な連絡は、警察や消費生活センターにも相談できる。
依頼の前、委任契約書に署名する前に、相手が登録された弁護士かを確かめる。不審な連絡を受けたときは、支払や情報の提供をする前に確かめる。ただし、裁判所から訴状などが届いた場合や進行中の事件に期限がある場合は、確かめていることを理由に対応を先送りしない。書類の真偽が疑わしいときは、書類に書かれた連絡先ではなく、自分で調べた裁判所の連絡先で確かめる。依頼している弁護士が業務停止の処分を受けた場合は、進行中の事件の期日・期限、預けた書類や金銭の扱いを確かめ、別の弁護士への引継ぎを急ぐ。
弁護士となるには日本弁護士連合会の弁護士名簿への登録が必要で、弁護士でない者が弁護士と表示することは禁止され、罰則もある。相手の氏名・所属弁護士会を確かめ、日本弁護士連合会や弁護士会の検索で照合する。懲戒の処分は官報で公告される。
出典
弁護士法8条・9条・19条・57条1項・64条の6第3項・72条・74条1項・77条の2(e-Gov 法令検索で原文確認・2026-10-19)