問題提起
弁護士を探していると、地図サービスの星の数や口コミ、「おすすめ弁護士ランキング」のようなサイトが目に入る。評判のよい弁護士に頼みたいと思うのは自然だが、口コミにはどのような限界があり、どこまで参考にしてよいのかを知っておくと、選び間違いを減らせる。
弁護士に相談する前に知っておきたい法律の要点を、分野ごとにスレッド形式でまとめています。
弁護士を探していると、地図サービスの星の数や口コミ、「おすすめ弁護士ランキング」のようなサイトが目に入る。評判のよい弁護士に頼みたいと思うのは自然だが、口コミにはどのような限界があり、どこまで参考にしてよいのかを知っておくと、選び間違いを減らせる。
弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。弁護士法72条(e-Gov法令検索で原文確認)
弁護士は、第七十二条乃至第七十四条の規定に違反する者から事件の周旋を受け、又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない。弁護士法27条(e-Gov法令検索で原文確認)
日本弁護士連合会の会規である弁護士職務基本規程は、弁護士について次のように定めている。
弁護士は、広告又は宣伝をするときは、虚偽又は誤導にわたる情報を提供してはならない。弁護士職務基本規程9条1項(e-Gov法令検索で原文確認)
弁護士は、依頼者の紹介を受けたことに対する謝礼その他の対価を支払ってはならない。弁護士職務基本規程13条1項(e-Gov法令検索で原文確認)
限界|内容
書いた人が分からない|実際の依頼者が書いたものか、確かめられないことが多い。
事件の内容が分からない|同じ弁護士でも、事件の種類や難しさによって結果も進め方も違う。
結果への不満が反映されやすい|法律上の見通しが厳しい事件では、弁護士の対応がよくても結果に不満が残り、評価が低くなることがある。
件数が少ない|数件の口コミで全体を判断することはできない。
ランキングの基準が分からない|順位の付け方が示されていないサイトや、掲載料を払った事務所を上位に載せるサイトもありうる。
実務の視点 口コミを読むときは、星の数よりも、「説明が分かりやすかったか」「連絡の頻度」「費用の説明があったか」といった具体的な記述に注目するとよい。そのうえで、同じ点を相談の場で自分の目で確かめる。
1. 相談した人が、自分の事件と似た事件を扱った経験があるかを尋ねる。
2. 弁護士から、事件の見通し(どのような結果がありうるか、リスクは何か)と、解決までのおおよその期間の説明を受ける。
3. 弁護士から、進め方(交渉・調停・訴訟など)の説明を受ける。
4. 弁護士から、弁護士報酬と費用の説明を受け、見積りを求める(弁護士は、事件を受任する際に、事件の見通し、処理の方法、弁護士報酬及び費用について適切な説明をしなければならないとされている。弁護士職務基本規程29条1項)。
5. 相談した人が、連絡の方法と頻度、担当する弁護士が誰になるかを確かめる。
6. 相談した人が、説明が分かりやすいか、質問しやすいかを自分で判断する。
① 「勝訴率〇%」などの表示は信用しない。 日本弁護士連合会の業務広告に関する規程は、訴訟の勝訴率を広告に表示してはならない事項としている。
② 紹介サイトが弁護士の代わりに相談に答えることはできない。 弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事務を扱うことは法律で禁止されている(弁護士法72条)。
③ 「必ず勝てる」という弁護士は避ける。 弁護士は、依頼者に有利な結果となることを請け合い、または保証してはならないとされている(弁護士職務基本規程29条2項)。
④ 評判がよくても、利益相反があれば頼めない。 その弁護士が相手方の相談を受けていたなどの事情があれば、依頼を受けられない(弁護士法25条)。
・口コミを見て依頼した弁護士の対応に不安がある(他の弁護士の意見を聞きたい)
・紹介サイトから「弁護士を紹介する」と連絡があり、紹介料などを求められた
・弁護士でない者が、法律問題の解決を有料で引き受けると言っている
具体的な事案は、法律事務所、弁護士会の法律相談センターや法テラス等にご相談ください。
口コミで候補を絞り込んだら、早めに相談を申し込み、実際に話をしてから依頼するかを決める。期限がある問題では、口コミを比べることに時間をかけすぎない。相談の予約や紹介の申込みだけでは期限は止まらない。依頼するときは、弁護士が正式に引き受けたか、依頼の範囲、誰がいつまでに何をするかを確かめる。
口コミやランキングは、書いた人や事件の内容が分からないなどの限界があり、弁護士選びの手がかりの一つにとどまる。弁護士の広告には虚偽・誤導の禁止などの決まりがあり、弁護士でない者による事件の周旋や紹介料の支払も禁止されている。依頼の前には、相談の場で経験・見通し・費用・連絡の方法を直接確かめて判断する。
出典
弁護士法25条・27条・72条(e-Gov 法令検索で原文確認・2026-10-19)
弁護士職務基本規程9条1項・13条1項・29条1項・2項、弁護士等の業務広告に関する規程(日本弁護士連合会会規)