問題提起
離婚や相続、会社の取引など、問題の分野ははっきりしているが、その分野を扱う弁護士をどう探せばよいか分からない。ウェブの広告だけで選ぶのは不安だ。そのようなとき、弁護士会や日本弁護士連合会の仕組みを使って、分野から弁護士を探す方法がある。
弁護士に相談する前に知っておきたい法律の要点を、分野ごとにスレッド形式でまとめています。
離婚や相続、会社の取引など、問題の分野ははっきりしているが、その分野を扱う弁護士をどう探せばよいか分からない。ウェブの広告だけで選ぶのは不安だ。そのようなとき、弁護士会や日本弁護士連合会の仕組みを使って、分野から弁護士を探す方法がある。
弁護士会の弁護士紹介の制度を直接定めた法律の条文はなく、各弁護士会が会の事業として行っている。弁護士は、法律事務全般を職務とし(弁護士法3条1項)、日本弁護士連合会の弁護士名簿に登録されて弁護士となる。
弁護士となるには、日本弁護士連合会に備えた弁護士名簿に登録されなければならない。弁護士法8条(e-Gov法令検索で原文確認)
法律上は、弁護士は特定の分野に限らず一般の法律事務を扱うことができる。どの分野を主に扱っているかは、弁護士・事務所ごとに違う。
仕組み|内容(2026年10月19日に公式サイト等で確認した範囲)
弁護士会の弁護士紹介|相談したい人が弁護士会に申し込み、弁護士会が分野などに応じて弁護士を紹介する。紹介を受けた後、その弁護士と相談する。制度の有無・方法・相談料は弁護士会ごとに違う。
ひまわりサーチ|日本弁護士連合会のウェブサイトの弁護士情報提供サービス。取扱業務などの事項から弁護士を検索できる。任意登録制で、各弁護士会に所属するすべての弁護士が登録されているとは限らない。
弁護士費用保険の加入者向けの紹介|弁護士費用特約などの保険に入っている人は、保険会社を通じて、日本弁護士連合会と各地の弁護士会の仕組み(リーガル・アクセス・センター)で弁護士の紹介を受けられることがある。紹介を受けられるかは保険会社との契約による。
刑事事件の弁護人の紹介|弁護人を選任しようとする被疑者・被告人は、弁護士会に弁護人の選任の申出をすることができ、申出を受けた弁護士会は、所属する弁護士の中から弁護人となろうとする者を速やかに紹介しなければならない(刑事訴訟法31条の2第1項・2項)。紹介された弁護士が選任の申込みを断ることもあり、その場合は弁護士会が申出をした人に通知する(同条3項)。
ひまわりほっとダイヤル|中小企業・個人事業者向けに、日本弁護士連合会と各地の弁護士会が設けている電話の窓口で、弁護士との面談を予約できる。事業と関係のない個人的な問題は扱っていない。初回の面談の扱い(無料の範囲など)は地域によって違う。
1. 弁護士を探している人が、弁護士会の案内(ウェブサイト・電話)で、弁護士紹介の制度があるか、対象となる分野・申込みの方法・費用を確かめる。
2. 弁護士を探している人が、相談したい分野、問題の概略、相手方の氏名・名称を伝えて申し込む。
3. 弁護士会が、分野などに応じて弁護士を紹介する。
4. 紹介を受けた人が、その弁護士と相談する。相談料の扱いは制度ごとに決められている。
5. 相談した人が依頼を決めた場合は、弁護士が事件の見通し、処理の方法、弁護士報酬と費用を説明し、弁護士報酬に関する事項を含む委任契約書を作る(弁護士職務基本規程29条1項・30条1項)。
実務の視点 紹介や検索で見つけた弁護士に初めて連絡するときは、相談したい分野、問題の概略、相手方の名前、急ぐ事情(期限など)を最初に伝えると、その弁護士が相談を受けられるかどうかの判断が早くなる。
① 紹介された弁護士が「その分野の専門家」と認定されているわけではない。 弁護士会の紹介やひまわりサーチの取扱業務は、弁護士がその分野を扱っていることを示すもので、専門性を公的に認定する制度ではない。経験の程度は、相談のときに直接尋ねて確かめる。
② 検索に出てこない弁護士もいる。 ひまわりサーチは任意登録制なので、登録していない弁護士は検索に出てこない。弁護士として登録されているかどうかは、別の方法(日本弁護士連合会の弁護士情報の検索など)で確かめる。
③ 紹介を受けたら依頼しなければならないわけではない。 相談の結果、依頼しないことも、別の弁護士にも相談してから決めることもできる。
④ 相手方と関係のある弁護士は担当できない。 紹介された弁護士がすでに相手方の相談を受けているなどの事情があれば、その弁護士は担当できない(弁護士法25条)。
・分野が特殊で、扱う弁護士が見つからない(知的財産、国際的な家族問題、医療事故など)
・会社・事業の取引で紛争が起きた
・期限が書かれた書類が届いているが、まだ相談先が決まらない
具体的な事案は、法律事務所、弁護士会の法律相談センターや法テラス等にご相談ください。
弁護士を探し始めてから実際に相談できるまでに日数がかかることがある。期限が迫っている問題は、紹介を待つ間に期限が過ぎないよう、弁護士会の法律相談センターや法テラスなど、すぐに相談できる窓口も並行して当たる。紹介の申込みや相談の予約をしただけでは、裁判所への提出期限や時効などの期限は止まらない。期限が書かれた書類がなくても、進んでいる期限があることにも注意する。
分野から弁護士を探すには、弁護士会の弁護士紹介、日本弁護士連合会のひまわりサーチ、中小企業向けのひまわりほっとダイヤルといった仕組みがある。いずれも、その分野を扱う弁護士を見つける手がかりで、専門性の認定ではない。相談の場で経験・見通し・費用の説明を聞いたうえで、依頼するかを自分で決める。
出典
弁護士法3条1項・8条・25条、刑事訴訟法31条の2(e-Gov 法令検索で原文確認・2026-10-19)
弁護士職務基本規程29条1項・30条1項(日本弁護士連合会会規)
日本弁護士連合会「弁護士情報提供サービス ひまわりサーチ」(2026-10-19 確認)