期限に注意
期限を過ぎると、権利を失ったり、手続ができなくなったりすることがあります。いつから数えるか、延ばせるかどうかは事情によって変わります。思い当たる方は、できるだけ早く弁護士に確認してください。
弁護士に相談する前に知っておきたい法律の要点を、分野ごとにスレッド形式でまとめています。
期限を過ぎると、権利を失ったり、手続ができなくなったりすることがあります。いつから数えるか、延ばせるかどうかは事情によって変わります。思い当たる方は、できるだけ早く弁護士に確認してください。
法テラスの費用の立替えを申し込んでも、すぐに弁護士が動き出せるとは限らない。審査があり、結果が出るまで時間がかかる。また、援助が認められないこともある。審査の流れを知っておくと、期限のある事件で慌てずに済む。
地方事務所長は、第26条第8項から第10項までの規定により審査に付された申込案件について、地方扶助審査委員の判断に基づき、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める決定をする。
一 第9条各号に掲げる要件のいずれにも該当するとき 援助を開始する決定(以下「援助開始決定」という。)
二 第9条各号に掲げる要件のいずれかに該当しないとき 援助を不開始とする決定(以下「援助不開始決定」という。)日本司法支援センター業務方法書29条1項(e-Gov法令検索で原文確認)
不服申立ては、原決定の通知が到達した日(第23条の2第1項の決定に対する不服申立てにあっては、原決定の通知が到達した日又は特定援助対象者法律相談援助を実施した日のいずれか遅い日)から30日以内に、地方事務所長に不服申立書を提出してしなければならない。日本司法支援センター業務方法書69条2項(e-Gov法令検索で原文確認)
① 審査に付されるまで。 法テラスと契約している弁護士・司法書士が無料法律相談をした後、相談者が費用の立替えを希望するときは、弁護士などが案件の概要を記載した「事件調書」を作り、相談者が出した書面と一緒に法テラスの地方事務所長に出す(業務方法書26条6項・7項)。地方事務所長は、援助申込書と事件調書を受け取ったら、速やかに審査に付す(同条8項)。弁護士などがすでに受任を承諾している案件(持込案件)は、無料法律相談を省略して審査に付すことができる(同条10項)。
② 審査をする人。 地方事務所長は、地方扶助審査委員の中から担当審査委員を原則2名指名して審査に付す(業務方法書28条1項)。簡易な案件では1名のこともある(同条2項)。法テラスの公式サイトは、審査は申込みをした地方事務所で行い、審査員は各地の弁護士や司法書士が担当すると案内している。
③ 審査で判断すること。 審査では、資力の基準を満たすか、勝訴の見込みがないとはいえないか、民事法律扶助の趣旨に適するか(業務方法書9条)を判断する。要件のすべてに当たれば援助開始決定、いずれかに当たらなければ援助不開始決定になる(業務方法書29条1項)。要件に当たっても、外国での事件処理が必要なときなど一定の場合には、地方事務所長が援助不開始決定をすることができる(業務方法書32条1項)。
④ 援助開始決定で決まること。 援助開始決定では、立て替える費用の種類と額または限度、本人が負担する実費の額、民事訴訟法の訴訟上の救助の申立ての要否、事件が終わるまでの立替金の返し方、返済を猶予する場合はその旨、その他の条件が決まる(業務方法書30条1項)。返し方を決めるときは、本人の生活状況を聴き取る(同条4項)。
⑤ 結果の通知と不服申立て。 地方事務所長は、援助開始決定をしたときは申込者に決定を通知し、援助不開始決定をしたときは決定とその理由を通知する(業務方法書29条4項)。地方事務所長の決定に不服がある申込者は、決定の通知が到達した日から30日以内に、地方事務所長に不服申立書を出して不服申立てをすることができる(業務方法書69条1項・2項)。期間を過ぎた不服申立ては却下されることがある(業務方法書69条の2)。日の数え方や提出の方法は、通知を受け取ったらすぐに地方事務所に確かめ、期限ぎりぎりに出さない。
1. 弁護士・司法書士に相談し、費用の立替えを申し込みたいと伝える。
2. 援助申込書、住民票の写し、収入の資料など、求められた書類を出す。弁護士などが事件調書を作る。
3. 法テラスの地方事務所で、担当審査委員が審査する。
4. 援助開始決定が出たら、弁護士などを通じて決定書・契約書・返済の案内を受け取り、契約書に署名して出す。
5. 援助不開始決定が出たら、理由を確かめ、不服申立てをするか、ほかの方法を考えるかを弁護士などと相談する。
実務の視点 法テラスへの相談、援助の申込み、不服申立てをしただけでは、元の事件の時効や裁判所の期限が止まったり、裁判の期日が変わったりするわけではない。書類に不備があると、その分だけ審査が遅れる。法テラスの公式サイトも、書類の不備がある場合やお盆・年末年始などは、決定までにさらに時間がかかるとしている。裁判の期日や期限が迫っているときは、審査の結果を待つ間にどう対応するかを、受任予定の弁護士とあらかじめ決めておく。
① 相談した弁護士が引き受けても、審査に通るとは限らない。 援助を開始するかどうかは、法テラスの審査で決まる。
② 書類を出さないと申込みが取り下げたものとみなされることがある。 事件調書の作成に協力しないときや、求められた書類を出さないときは、申込みの取下げがあったものとみなされることがある(業務方法書27条2項)。
③ 無料法律相談の回数の限度を超えた拒絶などには不服申立てができない。 無料法律相談の回数の限度を超える申込みの拒絶(業務方法書16条9項)や、無料法律相談の要件に当たらないとする拒絶(業務方法書26条5項)には、不服申立てができない。不服申立てができる決定かどうかは、通知の内容とあわせて確かめる。
議論のある点 審査は業務方法書などの基準に従って行われるが、「勝訴の見込みがないとはいえない」「民事法律扶助の趣旨に適する」に当たるか、資力の基準について出費などの事情がどこまで考慮されるかは、事件の具体的な事情によって判断が分かれることがある。不服申立てでは、通知に書かれた理由を確かめ、事実や資料に不足や誤りがないかを検討することが大切である。不服申立てで結論が変わる見込みも事情による。一般論だけで判断せず、弁護士・司法書士に相談してほしい。
・裁判の期日や期限が近く、審査の結果を待てるか不安がある
・援助不開始決定の通知を受け取った
・援助不開始決定に不服申立てをしたいが、元の事件の期限も迫っている
・審査で求められた書類をそろえられない
・援助開始決定で決まった返済の額が生活に合わない
具体的な事案は、法律事務所、弁護士会の法律相談センターや法テラス等にご相談ください。
費用の立替えを使いたいときは、早めに申し込む。援助不開始決定に不服があるときは、通知が到達した日から30日以内に不服申立てをしなければならないので、通知を受け取ったらすぐに弁護士などに相談する。
費用の立替えには法テラスの審査があり、担当審査委員の判断に基づいて援助開始決定か援助不開始決定が出る(業務方法書28条・29条)。援助開始決定では立替えの額や返し方が決まる(業務方法書30条)。決定に不服があるときは、通知が到達した日から30日以内に不服申立てができる(業務方法書69条)。期限のある事件では、審査の期間も考えて早めに申し込む。
出典
日本司法支援センター業務方法書9条・16条・26条〜30条・32条・69条・69条の2(令和8年3月25日法務大臣認可の版)
日本司法支援センター(法テラス)公式サイト「弁護士・司法書士費用等の立替制度のご利用の流れ」「立替制度に関するよくあるご質問」(2026-10-20確認)