問題提起
法テラスの無料法律相談は、何度でも使えるわけではない。同じ問題について使える回数には限りがある。どのような考え方で回数が数えられるのかを知っておくと、限られた回数を有効に使える。
弁護士に相談する前に知っておきたい法律の要点を、分野ごとにスレッド形式でまとめています。
法テラスの無料法律相談は、何度でも使えるわけではない。同じ問題について使える回数には限りがある。どのような考え方で回数が数えられるのかを知っておくと、限られた回数を有効に使える。
同一の者に対する法律相談援助は、一般法律相談援助、特定援助対象者法律相談援助又は被災者法律相談援助の別を問わず、同一問題につき、3回を限度とする。ただし、特定援助対象者法律相談援助は、同一問題につき、一般法律相談援助又は被災者法律相談援助を実施していない場合に限り、かつ、地方事務所長が相当と認めた場合を除き1回を限度とする。日本司法支援センター業務方法書16条7項(e-Gov法令検索で原文確認)
前項の限度を超える一般法律相談援助若しくは被災者法律相談援助の申込み又は特定援助対象者法律相談援助の実施の申入れの拒絶は、地方事務所長が行う。同条8項(e-Gov法令検索で原文確認)
第7項の限度を超える一般法律相談援助若しくは被災者法律相談援助の申込み又は特定援助対象者法律相談援助の実施の申入れを地方事務所長が拒絶したときは、これに対し、不服申立てをすることができない。同条9項(e-Gov法令検索で原文確認)
① 同一問題につき3回が限度である。 同じ人に対する法律相談援助は、一般の無料法律相談、被災者向けの相談、特定援助対象者(認知機能が十分でないために自己の権利の実現が妨げられているおそれがある人など)向けの相談の区別を問わず、同一問題につき3回を限度とする(業務方法書16条7項本文)。特定援助対象者向けの相談は、同じ問題について一般の無料法律相談や被災者向けの相談を受けていない場合に限られ、地方事務所長が相当と認めた場合を除いて1回が限度である(同項ただし書)。なお、特定援助対象者向けの相談では、資力によっては費用の負担を求められることがある(業務方法書16条6項・23条の2)。
② 場所や担当者が違っても、同じ問題なら数える。 相談できるのは、法テラスと契約している弁護士・司法書士などである。法テラスの公式サイトは、1回目とは別の弁護士に相談することもできると案内し、相談をした弁護士・司法書士に必ず依頼しなければならないわけではなく、回数の範囲内であれば別の弁護士・司法書士に相談することもできるとしている。相談場所や担当者を替えても、同一問題であれば回数は通算されると考えておく。
③ 3回分をまとめることはできない。 法テラスの公式サイトは、1回の相談時間を30分とし、3回分の相談を1回にまとめて相談することはできないと案内している。
④ 限度を超えた申込みは拒絶され、不服申立てはできない。 3回の限度を超える申込みは、地方事務所長が拒絶する(業務方法書16条8項)。この拒絶に対しては不服申立てをすることができない(同条9項)。
⑤ 法テラスで依頼中の事件は無料相談の対象にならない。 法テラスの公式サイトは、すでに法テラスの立替制度を使って弁護士に依頼している事件については、法テラスの無料法律相談を利用できないと案内している(依頼中の事件とは全く別の問題であれば利用できる場合がある)。
1. 1回目の前に、時系列のメモと届いた書類をそろえ、聞きたいことに優先順位をつける。
2. 1回目の相談の最後に、次の相談までに用意する資料と、次に聞くことを確かめる。
3. 2回目・3回目は、前回の説明を踏まえて、決めるべきこと(依頼するか、自分で手続をするかなど)に絞って相談する。
4. 依頼が必要だと分かったら、相談した弁護士・司法書士に、費用の立替え(代理援助・書類作成援助)を申し込みたいと伝える。費用の立替えは、交渉や裁判の代理、書類の作成を頼むための制度で、相談を続けるための費用を立て替える制度ではない。3回の相談を使い切ってからでなくても申し込める。
5. 相談だけを続けたいときは、有料の相談などを使う。
実務の視点 すでに何回利用したか分からなくなったときは、法テラスの公式サイトの案内どおり、近くの法テラスに電話して確かめるとよい。1回目に「何を聞くか」を絞りきれないと、回数がすぐに足りなくなる。1回目は、全体の見通しと、次に用意する資料を聞くことに使うと効率がよい。
① 問題が違えば別に数える。 回数の限度は「同一問題」についてのものである。たとえば、離婚の問題と借金の問題は、通常は別の問題として扱われると考えられるが、関連が強いときの扱いは法テラスに確かめる。
② 3回で解決しなければならないわけではない。 3回の相談は、問題の見通しを立て、依頼するかどうかを決めるために使うと考えるとよい。事件として解決するには、弁護士・司法書士に依頼することが多い。
③ 費用の立替えには別に審査がある。 無料法律相談の回数とは別に、費用の立替え(代理援助・書類作成援助)を申し込むと、資力などの審査がある。
議論のある点 何が「同一問題」に当たるか(同じ相手方との別の請求、同じ出来事から生じた別の手続、相談の途中で相手方が変わった場合など)は、事情によって判断が分かれ、最終的には法テラスが判断する。業務方法書には「同一問題」の定義の条文はない。一般論だけで判断せず、法テラスの地方事務所に確かめてほしい。
・3回の無料相談を使い切ったが、まだ判断がつかない
・前に相談した問題と今回の問題が同じ問題に当たるか分からない
・相談だけでは解決せず、弁護士に依頼する費用が心配である
具体的な事案は、法律事務所、弁護士会の法律相談センターや法テラス等にご相談ください。
回数に限りがあるので、相談の前に資料をそろえ、聞きたいことを整理してから予約する。ただし、期限が迫っているときは、準備が整うのを待たずに早く相談する。法テラスに予約したり相談したりしただけでは、時効や裁判所の期限は止まらない。
法テラスの無料法律相談は、同一問題につき3回が限度で(業務方法書16条7項)、限度を超える申込みは拒絶され、不服申立てはできない(同条8項・9項)。回数の範囲内なら別の弁護士・司法書士にも相談できる。回数を有効に使うために資料と質問を整理し、依頼が必要なら費用の立替えや有料の相談を考える。
出典
日本司法支援センター業務方法書16条・23条の2(令和8年3月25日法務大臣認可の版)
日本司法支援センター(法テラス)公式サイト「無料法律相談のご利用の流れ」「無料法律相談に関するよくあるご質問」(2026-10-20確認)