① 訴訟費用に含まれるもの。 民事訴訟費用等に関する法律2条が列挙する費用で、主なものは、申立ての手数料、裁判所が証拠調べや送達をするための費用、当事者が期日に出頭するための旅費・日当・宿泊料(最高裁判所が定める額などで算定)、訴状や準備書面などの書類の作成・提出の費用(最高裁判所が定める額)である。実際に支出した額がそのまま認められるとは限らない。
② 弁護士の着手金・報酬金は原則として含まれない。 当事者が自分で選んだ弁護士に払う着手金・報酬金は訴訟費用に含まれず、勝訴しても訴訟費用として相手方に請求することはできない。弁護士の報酬・費用が訴訟費用に含まれるのは、法令により裁判所が弁護士の選任を命じた場合などに限られる(民事訴訟費用等に関する法律2条10号)。なお、代理人が期日に出頭したときの旅費・日当・宿泊料は、当事者が出頭した場合の額として裁判所が相当と認める額の範囲で、訴訟費用に含まれることがある(同条5号)。
③ 訴えの手数料(2026年5月21日以後に起こす訴え)。 訴えの提起は、インターネットで申し立てることができる申立てとして特定申立てに当たり、書面で出す場合も含めて、手数料は次の合計額になる(民事訴訟費用等に関する法律3条2項・別表第二の1の項)。
・訴額に応じた部分:訴額100万円までは10万円までごとに1,000円、100万円を超え500万円までの部分は20万円までごとに1,000円、500万円を超え1,000万円までの部分は50万円までごとに2,000円、1,000万円を超え10億円までの部分は100万円までごとに3,000円(さらに高額の部分にも定めがある)。
・定額の部分:2,500円(インターネットで申し立てる場合は1,400円)。被告が2人以上のときは、被告の数から1を引いた数に2,000円を掛けた額を加える。
・例えば訴額100万円の訴えを被告1人に対して起こすときは、訴額に応じた部分が1万円で、書面で出せば合計1万2,500円、インターネットで出せば合計1万1,400円になる。
・訴額は訴えで主張する利益によって算定し(民事訴訟法8条1項)、財産権上の請求でないものや算定が極めて困難なものは160万円とみなす(民事訴訟費用等に関する法律4条2項)。
④ 郵便料の予納。 2026年5月21日以後に起こす訴えでは、送達に使う郵便料に充てる費用を別に納める必要はなくなった(民事訴訟費用等に関する法律11条1項ただし書、令和4年法律第48号附則25条)。証人の旅費・日当など、ほかの費用の予納が必要になることはある(同法11条・12条)。
⑤ 納め方。 特定申立ての手数料は、最高裁判所規則で定めるところにより現金で納める(民事訴訟費用等に関する法律8条1項本文)。書面で申し立てる場合でやむを得ない事由があるときは、訴状に収入印紙を貼って納めることもできる(同項ただし書)。