① 本人ができること。 民事訴訟法には、当事者本人に一般的に弁護士をつけることを義務づける規定はない。訴状・答弁書・準備書面の作成と提出、期日への出頭、証拠の提出、和解の協議などを本人がすることができる。ただし、未成年者や成年被後見人は、原則として法定代理人によらなければ訴訟行為ができない(民事訴訟法31条)。被保佐人や、補助人の同意を要するとされた被補助人は、自分から訴えを起こすなどの訴訟行為に保佐人などの同意が要る場合があり、和解や訴えの取下げなどには特別の授権が要る(民事訴訟法32条)。また、訴訟関係を明らかにするために必要な陳述ができない当事者については、裁判所が陳述を禁じ、必要があれば弁護士の付添いを命ずることがある(民事訴訟法155条)。
② 代理人になれる人。 本人以外に手続を任せる場合、地方裁判所・高等裁判所などでは弁護士と、法令で裁判上の行為ができる代理人に限られる(民事訴訟法54条1項本文)。簡易裁判所では、裁判所の許可を得れば弁護士でない人も訴訟代理人になれるが、許可はいつでも取り消されることがある(同項ただし書・同条2項)。
③ 認定司法書士。 法務大臣が指定する研修を修了して法務大臣の認定を受け、司法書士会の会員である司法書士は、簡易裁判所の民事訴訟手続のうち、訴訟の目的の価額が140万円を超えないものなどで代理人になれる(司法書士法3条1項6号・2項・6項、裁判所法33条1項1号)。ただし、上訴の提起(自ら代理人として手続に関与している事件の判決などに対するものを除く)、再審、強制執行に関する事項(少額訴訟債権執行を除く)は代理できない(司法書士法3条1項6号ただし書)。控訴を提起できる場合でも、地方裁判所での控訴審の代理はできない。司法書士は、金額にかかわらず、裁判所に出す書類を作成することもできる(同項4号)。
④ 補佐人。 当事者は、裁判所の許可を得て、補佐人と一緒に出頭することができる(民事訴訟法60条1項)。補佐人の陳述は、当事者が直ちに取り消したり訂正したりしないときは、当事者自身がしたものとみなされる(同条3項)。補佐人は代理人ではないので、本人に代わって一人で期日に出頭することはできない。
⑤ オンライン提出とインターネットでの送達。 2026年5月21日以後、訴状や準備書面などの申立て・申述は、最高裁判所規則で定める裁判所のシステムを使って提出することができる(民事訴訟法132条の10)。委任を受けた訴訟代理人(簡易裁判所の許可を受けた代理人を除く)はシステムでの提出が義務になったが(民事訴訟法132条の11第1項1号)、当事者本人は書面で提出することもできる。裁判所からの書類をシステムで受け取るには届出が必要で(民事訴訟法109条の2第1項ただし書)、届出をした場合、送達は、閲覧した時、記録した時、または通知が発せられてから1週間が経過した時のうち最も早い時に効力を生じる(民事訴訟法109条の3第1項)。閲覧していなくても送達の効力が生じ、控訴期間などが進み始めることがある。責めに帰することのできない事由で閲覧も記録もできなかった期間は、この1週間に算入されない(同条2項)。