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最初の期日|欠席するとどうなるか

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この記事の要点

  • 最初の口頭弁論期日に欠席しても、訴状や答弁書などの準備書面を出していれば、裁判所はその内容を述べたものとみなして、出頭した相手方に弁論をさせることができる(民事訴訟法158条)。
  • 被告が答弁書などを出さずに欠席すると、原告の主張した事実を自白したものとみなされ(民事訴訟法159条3項・1項)、原告の請求を認める判決が言い渡されることがある。被告が原告の主張した事実を争わず何の防御の方法も出さない場合に請求を認容するときは、判決書(電子判決書)に基づかずに言い渡し、主文や理由の要旨を調書に記録する方式もとられる(民事訴訟法254条1項1号・2項)。
  • 当事者双方が欠席し、1か月以内に期日指定の申立てがないときなどは、訴えを取り下げたものとみなされる(民事訴訟法263条)。口頭弁論の期日の変更は原則として顕著な事由がある場合に限られるが、最初の期日は当事者の合意がある場合にも変更することができる(民事訴訟法93条3項)。ただし、弁論準備手続を経た口頭弁論の期日の変更には、やむを得ない事由が必要である(同条4項)。変更するかどうかは裁判所(裁判長)が決める。

期限に注意

当事者双方が口頭弁論や弁論準備手続の期日に出頭しなかったとき、または出頭しても弁論や申述をしないで退廷・退席したときは、その期日から1か月以内(期日の翌日から暦に従って数える)に期日指定の申立てをしないと訴えの取下げがあったものとみなされる。裁判所から連絡を受けた日から数えるのではない。当事者双方が連続して2回出頭しなかったときなどは、その時点で取下げがあったものとみなされ、さらに1か月待ってもらえるわけではない(民事訴訟法263条)。欠席のまま通常の訴訟の判決が出たときは、判決書(または民事訴訟法254条2項の調書)の送達を受けた日から2週間の不変期間内に控訴しなければならない(民事訴訟法285条)。不変期間は、通常の期限の延長ができない。期限を過ぎると権利を失ったり手続ができなくなったりすることがあり、いつから数えるか・延ばせるかは事情で変わるので、思い当たる方はできるだけ早く弁護士に確認してほしい。

問題提起

裁判所から呼出状が届いたが、指定された日は仕事で行けない。欠席したらすぐに負けてしまうのか――最初の期日の欠席は、答弁書を出しているかどうかで扱いが大きく変わる。この記事は、地方裁判所・簡易裁判所の通常の民事訴訟を中心に、民事訴訟のIT化の改正(令和4年法律第48号。主な部分は2026年5月21日に施行)の後の規定で説明している。少額訴訟や人事訴訟などには特則があり、2026年5月21日より前に起こされた訴えの事件では、経過措置により改正前の規定によるものがある(同法附則)。

法律の文言(民事訴訟法158条)

原告又は被告が最初にすべき口頭弁論の期日に出頭せず、又は出頭したが本案の弁論をしないときは、裁判所は、その者が提出した訴状又は答弁書その他の準備書面に記載した事項を陳述したものとみなし、出頭した相手方に弁論をさせることができる。民事訴訟法158条(e-Gov法令検索で原文確認)

要件(欠席の場面ごとの扱い)

① 被告が答弁書を出して欠席。 裁判所は、答弁書に記載した事項を陳述したものとみなすことができる(民事訴訟法158条)。答弁書で原告の主張する事実を争っていれば、欠席したことだけを理由に、その事実を自白したものとは扱われない。ただし、答弁書を出しただけで敗訴を避けられるわけではない。

② 被告が答弁書を出さずに欠席。 当事者が口頭弁論の期日に出頭しない場合には、相手方の主張した事実を争うことを明らかにしないものとして、その事実を自白したものとみなす(民事訴訟法159条3項・1項)。ただし、弁論の全趣旨により争ったものと認めるべきとき(同条1項ただし書)や、公示送達による呼出しを受けたとき(同条3項ただし書)は除かれる。被告が原告の主張した事実を争わず、ほかに何の防御の方法も出さない場合に、裁判所が原告の請求を認容するときは、判決書(電子判決書)に基づかずに言い渡し、主文や理由の要旨を調書に記録させることができる(民事訴訟法254条1項1号・2項)。

③ 原告が訴状を出して欠席。 訴状の記載事項を陳述したものとみなすことができる(民事訴訟法158条)。

④ 当事者双方が欠席。 当事者双方が口頭弁論の期日に出頭しない場合などで、1か月以内に期日指定の申立てをしないときは、訴えの取下げがあったものとみなす。当事者双方が連続して2回欠席したときも同様である(民事訴訟法263条)。ただし、双方または一方が欠席した場合でも、審理の現状などから相当と認めるときは、裁判所が終局判決をすることがある(民事訴訟法244条。一方だけが欠席した場合は、出頭した相手方の申出が要る)。

⑤ 2回目以降の期日。 最初の期日だけでなく、口頭弁論の続行の期日でも、簡易裁判所では欠席した当事者の準備書面を陳述したものとみなすことができる(民事訴訟法277条)。地方裁判所の続行の期日では、この扱いは定められていない。

欠席しそうなときの対応

1. 呼出状で期日と答弁書の提出期限を確かめる。なお、この記事でいう欠席は、本人も代理人も出頭しない場合のことである。弁護士に依頼して代理人として出頭してもらう方法もある。
2. 出頭できないときは、答弁書を期限までに必ず出す。
3. 期日を変えてもらいたいときは、裁判所に期日の変更を申し立てる。口頭弁論の期日の変更は顕著な事由がある場合に限られるが、最初の期日は当事者の合意がある場合にも変更できる(民事訴訟法93条3項)。申立てや相手との合意だけで期日が変わるわけではないので、裁判所が変更したことを確かめるまでは、元の期日に対応する。
4. 裁判所が相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、ウェブ会議(映像と音声の送受信)で口頭弁論の期日の手続を行うことができ、その方法で参加した当事者は出頭したものとみなされる(民事訴訟法87条の2第1項・3項)。利用できるかは裁判所に問い合わせる。

実務の視点 最初の期日は、裁判所が被告の都合を聞かずに決める。出頭できないときは、答弁書を出したうえで裁判所の担当書記官に連絡し、次回の期日の調整方法を確かめておくとよい。なお、相手方が欠席した期日に、準備書面に書いていない新しい事実を主張することには制限がある(地方裁判所では民事訴訟法161条3項。簡易裁判所では276条3項)。

確認点・よくある誤解

① 欠席しただけで必ず負けるわけではない。 答弁書で争っていれば、自白したものとはみなされない。

② 欠席して出た判決にも控訴できる。 欠席のまま出た通常の訴訟の判決も、控訴の対象になる。控訴の期間は判決書(または民事訴訟法254条2項の調書)の送達を受けた日から2週間の不変期間である(民事訴訟法285条)。254条の方式では、別に判決書が届くとは限らない。少額訴訟の判決には控訴できず、判決をした簡易裁判所への異議による(民事訴訟法377条・378条)。判決に仮執行の宣言が付いているときは、確定前でも強制執行を受けることがあり、控訴しただけでは止まらない(民事訴訟法403条1項3号)。判決の送達は、本人が実際に読んだ日とは限らず、インターネットでの送達では、閲覧しなくても通知から1週間を経過すると効力を生じることがある(民事訴訟法109条の3)。

③ 原告も欠席に注意。 原告だけが欠席を続けても、それだけで民事訴訟法263条の取下げの扱いになるわけではないが、主張や立証の機会を失い、請求を棄却されるおそれがある。双方が欠席した場合は263条に注意する。

議論のある点

議論のある点 答弁書に「争う」とだけ書いた場合に、どこまで争ったものと扱われるか、期日の変更が認められるか、欠席の後にどのように主張を立て直すかは、事件と裁判所の判断によって変わる。一般論だけで判断せず、弁護士に相談してほしい。

特に相談した方がよい場面

・呼出状の期日に出頭できない
・答弁書の書き方が分からない
・欠席したまま判決が出てしまった
・期日の変更やウェブ会議での参加を求めたい
・双方が欠席した期日がある
・差押えなどの通知が届いた

具体的な事案は、法律事務所、弁護士会の法律相談センターや法テラス等にご相談ください。

相談のタイミング

呼出状が届いたらすぐに期日と期限を確かめ、出頭できないと分かった時点で弁護士に相談する。判決が出てしまったときは、送達を受けた日から2週間の控訴期間を意識して、ただちに相談する。

まとめ

最初の期日に欠席しても、答弁書を出していれば、裁判所はその内容を述べたものとみなすことができる。答弁書を出さずに欠席すると、原告の主張を自白したものとみなされ、そのまま判決が出ることがある。双方が欠席すると訴えの取下げとみなされることもある。出頭できないときは、答弁書の提出と期日の変更・ウェブ会議の利用を検討する。

出典

民事訴訟法87条の2・93条・109条の3・158条・159条・161条・244条・254条・263条・276条・277条・285条・377条・378条・403条(e-Gov 法令検索で原文確認・2026-10-20)

民事訴訟法等の一部を改正する法律(令和4年法律第48号)附則

最終確認日
2026年10月20日
法令の基準時
2026年10月時点の法令による
出典(外部サイト)
e-Gov 法令検索(デジタル庁)〔外部サイト〕/裁判所ウェブサイト〔外部サイト〕
ご相談
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