① 無罪などの場合は申立てが却下される。 刑事裁判で無罪の判決などがあったとき、または有罪になった罪が対象の罪に当たらないときは、申立ては却下される(犯罪被害者保護法28条1項)。この場合でも、却下の告知を受けた時から6か月を経過するまでは、時効は完成しない(同法29条。申立てが不適法として却下された場合を除く)。その間に通常の民事訴訟を起こすかどうかを検討する。
② 異議があれば通常の民事訴訟になる。 適法な異議があると、損害賠償命令は仮執行の宣言を付けたものを除いて効力を失い(同法38条4項)、申立ての時に地方裁判所または簡易裁判所に訴えの提起があったものとみなされる(同法39条1項)。このとき、訴えの提起の手数料との差額を納める必要がある(同法48条3項)。下の③の事件の終了によって民事訴訟に移った場合も同じである。
③ 民事訴訟の手続に移すこともできる。 審理が4回以内で終わりそうにないときは、裁判所が事件を終了させ、民事訴訟に移すことができる。刑事裁判の終局裁判の告知までに申立人が民事訴訟手続を求めたときなども、裁判所は事件を終了させる(同法43条)。
④ 異議がなければ確定判決と同じ効力。 適法な異議の申立てがないときは、損害賠償命令は確定判決と同一の効力を持つ(同法38条5項)。ただし、確定判決と同じ効力があっても自動的に支払われるわけではなく、支払がなければ強制執行の手続が要る。
⑤ 仮執行の宣言があると異議だけでは執行は止まらない。 仮執行の宣言を付けた損害賠償命令は、異議が出ても効力を失わない(同法38条4項)。執行を止めるには、別に執行停止を求める手続が必要になる場合がある。