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接見禁止|家族が面会できないときの対応

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この記事の要点

  • 裁判所(起訴前と、起訴後の第1回公判期日までは裁判官)は、逃亡または罪証隠滅を疑うに足りる相当な理由があるときは、勾留されている人と弁護人など以外の人との面会(接見)や、書類その他の物の受け渡しを禁止できる(刑事訴訟法81条。起訴前の被疑者には207条1項、起訴後第1回公判期日までは280条)。これが「接見禁止」である。
  • 接見禁止が付いても、弁護人や、弁護人を選任できる人の依頼で弁護人になろうとする弁護士との面会は禁止されない(刑事訴訟法39条1項)。また、接見禁止の処分として、食べ物(糧食)の受け渡しを禁止することはできない(刑事訴訟法81条ただし書)。
  • 家族が面会したいときは、弁護人を通じて、家族との面会だけを認めてもらう「一部解除」を裁判所に求めたり、接見禁止の決定そのものに不服を申し立てたりする方法がある。

期限に注意

接見禁止の決定に対する準抗告や抗告には、一定の日数で区切られた申立期間はない。ただし、勾留が終わるなどして決定の効力がなくなれば、争う意味がなくなる。また、準抗告や抗告の結果にさらに不服があるときに、憲法違反などを理由として最高裁判所にする特別抗告は、提起期間が5日である(刑事訴訟法433条)。特別抗告の期間は、原則として裁判が告知された日の翌日から数え(刑事訴訟法55条1項)、相談をしていても止まらず、通常の延長はできない。期限を過ぎると権利を失ったり手続ができなくなったりすることがあり、いつから数えるか・延ばせるかは事情で変わるので、思い当たる方はできるだけ早く弁護士に確認してほしい。

問題提起

家族が逮捕・勾留されたので面会に行ったら、警察署で「接見禁止が付いているので会えない」と言われた。手紙も渡せないという。どうすれば連絡が取れるのか、いつまで続くのか――このような相談は少なくない。なお、この記事は勾留中の接見禁止を扱う。逮捕されてから勾留されるまでの間は、接見禁止の決定がなくても、家族が通常の面会をできるとは限らない。勾留後も、施設が定める面会の日時・時間などの制限がある。会えない理由が接見禁止なのか、それ以外の制限なのかを確かめることが出発点になる。

法律の文言(刑事訴訟法81条)

裁判所は、逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるときは、検察官の請求により又は職権で、勾留されている被告人と第三十九条第一項に規定する者以外の者との接見を禁じ、又はこれと授受すべき書類その他の物を検閲し、その授受を禁じ、若しくはこれを差し押えることができる。但し、糧食の授受を禁じ、又はこれを差し押えることはできない。刑事訴訟法81条(e-Gov法令検索で原文確認)

要件(接見禁止が付けられる場合)

① 勾留されていること。 接見禁止は、勾留されている被告人(起訴後)について定められている(刑事訴訟法81条)。起訴前の勾留された被疑者については、勾留の請求を受けた裁判官が裁判所と同じ権限を持ち(刑事訴訟法207条1項)、起訴後も第1回公判期日までは、勾留に関する処分を裁判官が行う(刑事訴訟法280条1項・3項)。

② 逃亡または罪証隠滅を疑うに足りる相当な理由。 勾留だけでは防げないほどの逃亡・罪証隠滅のおそれがあると裁判所(裁判官)が判断したときに付けられる。検察官の請求による場合と、裁判所の職権による場合がある。

③ 禁止できる範囲。 弁護人など(刑事訴訟法39条1項に規定する人)以外の人との接見を禁止し、書類その他の物について検閲・授受の禁止・差押えができる。ただし、糧食(食べ物)の受け渡しは、この処分で禁止することも差し押さえることもできない(刑事訴訟法81条ただし書)。これは、施設がどのような食品でも受け付けるという意味ではなく、差し入れできる品目や方法には施設の管理上の制限が別にある。

④ 弁護人との面会は接見禁止の対象外。 身体の拘束を受けている被疑者・被告人は、弁護人、または弁護人を選任できる人の依頼により弁護人になろうとする人(弁護士でない人は裁判所の許可を受けた後に限る)と、立会人なしに面会し、書類や物を受け渡しできる(刑事訴訟法39条1項)。接見禁止はこの面会には及ばない。ただし、公訴の提起前は、捜査のため必要があるときに、検察官などが面会の日時・場所・時間を指定することがある(同条3項。防御の準備をする権利を不当に制限するものであってはならない)。起訴された後でも、別の事件で被疑者として拘束されている場合には、その事件について指定が問題になることがある。

家族が取れる手段(よくある流れ)

1. 弁護人に相談する。 弁護人には、本人の様子の確認や生活上の連絡について相談できる。ただし、家族への説明や伝言の取次ぎは、本人の意向や守秘義務、弁護の方針を踏まえて弁護人が判断する。弁護人がいなければ、弁護士会の当番弁護士を呼ぶか、私選弁護人を依頼する。勾留されている被疑者で、貧困その他の事由で弁護人を選任できないときは、本人の請求により国選弁護人が付く制度もある(刑事訴訟法37条の2)。起訴後にも国選弁護人の制度がある(刑事訴訟法36条)。
2. 一部解除を求める。 弁護人が裁判所(裁判官)に、特定の家族との面会や、特定の手紙の受け渡しだけ接見禁止を解くよう求める。法律上は裁判所の職権の判断を促す申出という扱いで、認めるかどうかは裁判所が判断する。
3. 不服申立て。 接見禁止の裁判は勾留に関する裁判として、裁判官がした裁判には取消し・変更の請求(準抗告。刑事訴訟法429条1項2号)、地方裁判所などがした決定には抗告(刑事訴訟法419条・420条2項)、高等裁判所が自らした決定には異議の申立て(刑事訴訟法428条2項)で争うことができる。申し立てるのは本人や弁護人などで、家族であるだけで当然に申し立てられるわけではない(申立ての資格は手続によって違う)ので、家族はまず弁護人に対応を頼む。
4. 差入れ。 衣類や書籍などの差入れが認められるかは、決定の内容と施設の扱いによる。食べ物を含め、差し入れできる品目や方法は、事前に施設や弁護人に確認する。

実務の視点 一部解除を求めるときは、面会したい家族が事件と関係がないこと、事件の話をしないこと、本人の健康や仕事・家族の事情で面会が必要なことなどを具体的に示すと判断されやすい。家族の側で、続柄が分かる資料や面会が必要な事情をまとめて弁護人に渡すとよい。

確認点・よくある誤解

① 接見禁止が付いても弁護人は会える。 家族が面会できなくても、弁護人との面会は禁止されないので、まず弁護人に連絡する。

② 手紙も制限される。 接見禁止は面会だけでなく、書類(手紙)その他の物の受け渡しにも及ぶことがある(刑事訴訟法81条)。

③ いつまで続くかは決定の内容による。 法律には接見禁止に固有の上限の期間はなく、勾留が終われば接見禁止も効力を失う。決定に「公訴の提起まで」などの終期が付いていれば、その時に効力を失うが、起訴後に改めて接見禁止が命じられることもある。現在有効な決定の内容と終期を弁護人に確かめる。

議論のある点

議論のある点 どの程度の事情があれば罪証隠滅を疑うに足りる相当な理由があるといえるか、家族との面会を一部解除で認めるかどうか、起訴後も接見禁止を続ける必要があるかは、事件の内容や共犯者の有無などによって判断が分かれる。一般論だけで判断せず、弁護人に相談してほしい。

特に相談した方がよい場面

・家族に接見禁止が付き、面会も手紙もできない
・本人の健康状態や家族の事情で、どうしても連絡を取る必要がある
・起訴された後も接見禁止が続いている
・弁護人がまだ付いていない

具体的な事案は、法律事務所、弁護士会の法律相談センターや法テラス等にご相談ください。

相談のタイミング

接見禁止が付いたと分かったら、すぐに弁護人に連絡する。起訴前の勾留は日数が限られており、その間の家族の事情を早く伝えるほど対応の幅が広がる。

まとめ

接見禁止は、逃亡や罪証隠滅を防ぐため、弁護人など以外の人との面会や物の受け渡しを禁止する裁判である。弁護人との面会は接見禁止の対象にならず、食べ物の受け渡しも接見禁止の処分としては禁止できない(施設の管理上の制限は別にある)。家族が面会したいときは、弁護人を通じて一部解除を求めたり、不服を申し立てたりする方法がある。

出典

刑事訴訟法36条・37条の2・39条・81条・207条・280条・419条・420条・429条・433条(e-Gov 法令検索で原文確認・2026-10-20)

最終確認日
2026年10月20日
法令の基準時
2026年10月時点の法令による
出典(外部サイト)
e-Gov 法令検索(デジタル庁)〔外部サイト〕/裁判所ウェブサイト〔外部サイト〕
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